犬の歯科・歯石除去

歯科の概要

3歳以上の犬や猫の80%以上が歯のトラブルを抱えていると言われています。
犬の場合は3~5日、猫の場合は約1週間で歯石に変わります。つまり人のおよそ5倍のスピードで歯垢が歯石に変わるため、歯の健康維持はとても重要です。

歯周病を放置すると他の臓器、腎臓や心臓、肝臓などに感染を起こし重大な病気を引き起こす原因にもなります。
犬や猫も歯からくる体調の変化を見逃さないようにすること、定期的に検診や歯垢除去をすることで健康長寿を維持することが可能です。

犬に多い歯の疾患

犬や猫の歯垢は速いスピードで歯石へと進むので、こまめに歯垢を落としたり歯石(病院での治療)を取り除くことで重大な病気に発展せずにすみます。
歯周病になる前に、早め早めに対処していれば 歯を失ったり命を落とすような重大な病気へと発展することはありません。

疾患名 特徴・症状 備考
歯周病 歯ぐきの赤み・出血・口臭・歯のぐらつき 最も多い歯の病気。重症化すると顎の骨が溶けることも。
歯石の付着 歯の表面が茶色や黄色に変色・口臭 歯垢が固まったもの。放置すると歯周病へ進行。
乳歯遺残 永久歯が生えても乳歯が抜けずに残る 小型犬に多い。不正咬合や歯周病の原因に。
破折(歯の折れ) 硬いものを噛んで歯が欠ける・折れる 犬用の硬いおもちゃや角で起きやすい。
歯肉炎 歯茎の腫れ・出血 歯周病の初期段階。歯垢の蓄積が原因。

重大な疾患へ進行すると、心臓疾患、僧帽弁閉鎖、心不全、心筋梗塞、また脳梗塞、腎不全、動脈硬化、下顎の骨折などの病気を引き起こすことになります。

猫に多い歯の疾患

疾患名 特徴・症状 備考
歯周病 口臭・出血・食べにくそう・よだれ 猫でも非常に多く、高齢猫では重症化することも。
吸収病変(破歯細胞性吸収病巣) 歯の一部が溶ける。激しい痛み・食欲不振 猫特有の疾患。原因不明で進行性。
口内炎(慢性口内炎) 口の中の赤み・ただれ・強い痛み 猫エイズやカリシウイルス、免疫異常が関与。
歯石の蓄積 口臭・歯の変色・よだれ 歯垢→歯石→歯周病という流れで進行。
歯肉口内炎 歯茎だけでなく口腔全体に炎症が広がる 治療が難しく、抜歯が必要なケースも。

犬猫は歯の痛みを隠す傾向があり、症状に気づきにくいことが多いです。
進行してからでは、抜歯や手術が必要になる場合も多く、身体への負担や費用も大きくなるので、定期健診を推奨します。

歯の疾患と放置した場合のリスク

口腔内の細菌が血流に乗ることで、心臓・腎臓・肝臓など内臓疾患のリスクにもつながると報告されています。

疾患名 放置した場合どうなるか(リスク)
歯周病 歯ぐきの炎症が進行し、歯が抜ける・顎の骨が溶ける。心臓・腎臓など全身疾患の引き金になることも。
口内炎(慢性口内炎) 激しい痛みで食事が困難になり、体重減少・栄養失調につながる。進行すれば全顎抜歯を検討するケースも。
歯石の付着 歯石に細菌が繁殖し、口臭悪化→歯周病へ進行。全身に悪影響を及ぼす可能性も。
乳歯遺残 永久歯の正常な生え方を妨げ、不正咬合や歯周病の原因になる。放置で口腔内のトラブルが慢性化。
破折(歯の折れ) 歯の神経がむき出しになり強い痛み・感染・膿瘍を起こす。放置すると歯根の炎症から顔が腫れることも。
歯肉炎 初期段階のうちに治療しないと、歯周病に進行し歯の脱落や顎骨へのダメージにつながる。

歯のトラブルは自然に治ることはなく、進行すると大きな健康被害を引き起こします。
年に1回の歯科健診と、毎日のデンタルケアで、大切な家族の健康を守りましょう。

手術設備・入院設備

当院では、外科手術を必要とする症状でも、院内で対応できるように様々な医療機器・設備を整えています。

院内に手術室を設置

専用の手術室を設け、滅菌設備、無影灯、専用手術台、麻酔モニタ、麻酔器・気化器・人工呼吸器など、手術に必要な設備を整えています。十分な検査の後にこちらで手術を進めます。

入院設備・ICUを導入

処置後・手術後に安静に回復を図れるスペースとして、専用の入院ケージをご用意しています。また、酸素濃度・温度の調整可能で、治癒力を高められるICU設備も導入しています。

ドクター・院内の様子

経験豊富な医師が担当

当院の獣医師は、10年以上の臨床経験を持つ経験豊富な医師です。
様々な症状を自院で対応したり、外科経験を活かすのは勿論、動物・飼主様に優しく丁寧な施術・接客をご提供致します。

綺麗な院内、サロン・ホテルも併設

当施設は、トリミング・ホテルが併設して病院とも連携しているので、お預かりの際は動物の体調や皮膚の状態など合わせて見させて頂きます。
一つの施設で完結するのでぜひご利用下さい。

料金・ご案内

動物病院の多くは、事前に価格が知ることができない状況です。当院ではそのようなご心配・ご懸念がないよう、事前に料金の目安を飼主様が知ることができるように明朗な料金案内に努めます。

料金表一覧についてはこちら

記載がない内容も対応していますので、お問い合わせ下さい。

お気軽にご予約ください。

Tel: 03-6712-7062

診療時間:10:30〜13:30、14:30〜19:30

※予約は診療30分前に締め切りとなります

総合診療

  1. 総合診療(案内)

    動物は言葉を話せないため、症状が悪化しないように、病気の早期発見・早期治療が大変重要になります。 食欲がない、元気がない、嘔吐・…

  2. 犬猫の呼吸器疾患

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  3. 犬猫の消化器疾患

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  6. 犬猫の内分泌疾患(ホルモン疾患)

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  8. 犬猫の心臓疾患(循環器)

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  10. 犬猫の眼科・眼疾患

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  11. 犬猫の耳鼻科・耳鼻疾患

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  12. 犬の歯科・歯石除去

    3歳以上の犬や猫の80%以上が歯のトラブルを抱えていると言われています。 犬の場合は3~5日、猫の場合は約1週間で歯石に変わりま…