犬猫の腎臓・泌尿器疾患

腎臓・泌尿器の疾患

泌尿器とは、尿に関わる(腎臓・尿管・尿道・膀胱など)器官です。腎臓は左右に1つずつ、2つあり、血液と一緒に老廃物が腎臓に送られると、腎臓は不要な毒素や老廃物を尿として膀胱へ送る働きをします。
他にもホルモンの産生、血圧の調節、水分バランス、代謝機能として身体の恒常性を保つ役割をする大切な臓器です。

7歳以上の中高齢の犬、猫によくみられる疾患に腎不全や尿路結石などがありす。特に高齢の猫での発症は多く、病気が進行してしまってから気づくケースがよくあるので、日頃からの定期健診などで注意が必要です。

犬に多い腎臓・泌尿器疾患

泌尿器の疾患の主な症状は、多飲、頻尿、尿の濁り、血尿など排泄にともなうものなどが挙げられます。

疾患名 特徴・症状 放置した場合のリスク
慢性腎不全 多飲多尿・体重減少・食欲低下・嘔吐・口臭 腎機能が徐々に低下し、尿毒症や脱水、電解質異常を引き起こす。最終的に命に関わる。
尿路感染症 排尿時の痛み・頻尿・血尿・尿が濁る 感染が腎臓に波及すると腎盂腎炎となり重症化する。
尿石症 尿路に結石ができ、排尿困難・血尿・痛みを伴う 尿閉塞で膀胱破裂や腎障害に進展し、緊急手術が必要な場合も。
膀胱炎 頻尿・排尿時の痛み・血尿 放置すると尿路感染が悪化し、腎臓にも影響が及ぶことがある。

これらは尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などで見つけることができます。

猫に多い腎臓・泌尿器疾患

上記のほかに、元気がない、食欲がない、膀胱炎のストレスでお腹を舐めて毛が抜ける猫もいます。

疾患名 特徴・症状 放置した場合のリスク
慢性腎不全 多飲多尿・食欲不振・体重減少・嘔吐・脱水 犬同様、腎機能低下により尿毒症や体液電解質異常を招き、命に関わる。
猫下部尿路疾患(FLUTD) 排尿困難・頻尿・血尿・尿中結晶や結石 重症化すると尿閉塞を起こし、膀胱破裂や腎不全を引き起こすことも。
尿路感染症 頻尿・排尿痛・血尿 感染が長引くと腎臓にも影響。特に高齢猫では注意が必要。
尿石症 尿路に結石が形成され、排尿障害を起こす 尿閉塞や膀胱炎の原因となり、緊急処置が必要になる場合も。

同じく、これらは尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などで見つけることができます。

共通の症状とリスク

泌尿器疾患は初期症状がわかりにくく、飼い主さんが気づいたときには進行していることも多いです。
定期健診や尿検査で早期に異常を発見し、適切な治療・食事管理を行うことが大切です。

共通の症状サイン

  • トイレに何度も行くが尿が出にくい
  • 血尿が出る
  • 排尿時に痛がる・鳴く
  • 多飲多尿や逆に水をあまり飲まなくなる
  • 元気・食欲の低下
  • 嘔吐や体重減少

治療しなかった場合のリスク

  • 腎臓の機能が回復せず、慢性腎不全が進行する
  • 尿閉塞や尿路感染症の悪化により、膀胱破裂や腎盂腎炎など重篤な状態に進展
  • 全身状態の悪化や電解質異常、脱水などにより命に関わる可能性がある

特に高齢期に増えやすく、早期発見と適切なケアが重要です。

手術設備・入院設備

当院では、外科手術を必要とする症状でも、院内で対応できるように様々な医療機器・設備を整えています。

院内に手術室を設置

専用の手術室を設け、滅菌設備、無影灯、専用手術台、麻酔モニタ、麻酔器・気化器・人工呼吸器など、手術に必要な設備を整えています。十分な検査の後にこちらで手術を進めます。

入院設備・ICUを導入

処置後・手術後に安静に回復を図れるスペースとして、専用の入院ケージをご用意しています。また、酸素濃度・温度の調整可能で、治癒力を高められるICU設備も導入しています。

ドクター・院内の様子

経験豊富な医師が担当

当院の獣医師は、10年以上の臨床経験を持つ経験豊富な医師です。
様々な症状を自院で対応したり、外科経験を活かすのは勿論、動物・飼主様に優しく丁寧な施術・接客をご提供致します。

綺麗な院内、サロン・ホテルも併設

当施設は、トリミング・ホテルが併設して病院とも連携しているので、お預かりの際は動物の体調や皮膚の状態など合わせて見させて頂きます。
一つの施設で完結するのでぜひご利用下さい。

料金・ご案内

動物病院の多くは、事前に価格が知ることができない状況です。当院ではそのようなご心配・ご懸念がないよう、事前に料金の目安を飼主様が知ることができるように明朗な料金案内に努めます。

料金表一覧についてはこちら

記載がない内容も対応していますので、お問い合わせ下さい。

お気軽にご予約ください。

Tel: 03-6712-7062

診療時間:10:30〜13:30、14:30〜19:30

※予約は診療30分前に締め切りとなります

総合診療

  1. 総合診療(案内)

    動物は言葉を話せないため、症状が悪化しないように、病気の早期発見・早期治療が大変重要になります。 食欲がない、元気がない、嘔吐・…

  2. 犬猫の呼吸器疾患

    呼吸器の病気は咽喉頭、気管、肺、鼻腔などに起こる異常な症状をさします。犬種的に短頭種類のフレンチブルドック、ボストンテリア、パグ、…

  3. 犬猫の消化器疾患

    消化器とは、口から肛門まで、食べ物を摂取してから栄養素に分解、消化、吸収し、残りを排泄、このような働きをする器官をさします。口、食…

  4. 犬猫の肝臓・膵臓疾患

    人間と同じく肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれるくらい、異常があっても特徴的な症状がないことが多いです。脾臓は、血液の造血、循環、赤血球の…

  5. 犬猫の腎臓・泌尿器疾患

    泌尿器とは、尿に関わる(腎臓・尿管・尿道・膀胱など)器官です。腎臓は左右に1つずつ、2つあり、血液と一緒に老廃物が腎臓に送られると…

  6. 犬猫の内分泌疾患(ホルモン疾患)

    内分泌とは脳下垂体、甲状腺、上皮小体(副甲状腺)、膵臓、副腎、卵巣、精巣など、動物が健康に生きていくうえで必要なホルモンを作り出す…

  7. 犬猫の脳神経疾患

    脳神経疾患は脳・神経・脊髄を対象にした病気で、特に犬や猫の神経系は生きて行くうえで大変重要なところです。 脳の病気として一般…

  8. 犬猫の心臓疾患(循環器)

    循環器では、心臓や血管の病気を取扱います。犬や猫にとって循環器系の病気はたいへん身近で、特に高齢犬の疾患のなかで心臓病は 腫瘍の次…

  9. 犬猫の皮膚科・皮膚疾患

    犬猫病院の利用で一番多い疾患は皮膚の病気です。皮膚の変化は飼い主様も気が付きやすく、また小さいときからトラブルを抱えている子も少な…

  10. 犬猫の眼科・眼疾患

    眼科の概要 犬や猫にとって嗅覚や聴覚が重要なのに対し視覚は一見最重要ではなさそうな気がします。 しかし、眼の疾患が進行すると手遅れ…

  11. 犬猫の耳鼻科・耳鼻疾患

    犬や猫の耳は外耳、中耳、内耳から構成されそこに感染や炎症がおきると 外耳炎、中耳炎、内耳炎となります。 耳の疾患は感染症やアレルギ…

  12. 犬の歯科・歯石除去

    3歳以上の犬や猫の80%以上が歯のトラブルを抱えていると言われています。 犬の場合は3~5日、猫の場合は約1週間で歯石に変わりま…