犬猫の脳神経疾患

脳神経疾患の概要

脳神経疾患は脳・神経・脊髄を対象にした病気で、特に犬や猫の神経系は生きて行くうえで大変重要なところです。

脳の病気として一般的に多い疾患は、脳腫瘍やてんかん、脳炎などがあります。神経の病気に四肢の麻痺などで歩くことが困難になり、進行すると回復が大変むずかしくなります。神経症状の異常が認められたときには、早期に治療する必要があります

犬に多い脳神経疾患

脳神経の疾患の主な症状は、突然気を失い倒れる、意識がなくなる、フラフラする、歩行困難、手足が硬直する、目が回るなどです。

疾患名 特徴・症状 放置した場合のリスク
てんかん 突然のけいれん・硬直・意識消失。発作は短時間でおさまるが繰り返す。 繰り返す発作で脳へのダメージ・命に関わる重積発作へ進行する可能性あり。
脳腫瘍 元気消失・性格の変化・片側の視覚障害・けいれん 高齢犬に多く、進行すると命に関わる。外科・放射線治療が必要な場合も。
水頭症 脳室に脳脊髄液がたまり、脳が圧迫される。小型犬・短頭種に多い。 放置でてんかん・視覚障害・成長障害・知覚低下などが進行。
椎間板ヘルニア(頚部・腰部) 歩行困難・痛み・足を引きずる・後肢の麻痺 重度では排尿困難・下半身麻痺になることも。早期治療が重要。
前庭疾患(脳のバランス異常) 首を傾ける・ふらつき・眼球の揺れ(眼振) 脳疾患や内耳炎に関連。高齢犬で突然発症することも

発作症状が現れたときには、それが脳神経に起因するものかどうか、わかりにくく詳しい検査が必要になります。

猫に多い脳疾患疾患

猫特有の症状もあります。特に猫伝染性腹膜炎(FIP)なんかは、進行スピードが速く致死率も非常に高いので、すぐに病院で診てもらって下さい。

疾患名 特徴・症状 放置した場合のリスク
てんかん・発作性疾患 突然のけいれん・転倒・口をくちゃくちゃする動作 原因不明(特発性)または脳腫瘍・感染症が背景にある場合も。
脳腫瘍 高齢猫で多く、視力異常・ふらつき・けいれん・性格の変化 放置すると神経麻痺や意識障害、突然死の可能性も
猫伝染性腹膜炎(FIP)の神経型 歩行異常・瞳孔の異常・けいれん・震え 若齢猫に多く、進行性で致死率が非常に高い(近年は一部治療薬あり)。
前庭疾患 急なふらつき・首の傾き・眼振 ウイルス感染や中耳炎・内耳炎が原因。多くは回復するが、慢性化する場合も
高血圧性脳症(脳出血) 突然の発作・麻痺・意識障害 高血圧(甲状腺機能亢進症・腎不全に伴う)により脳出血を起こす。早急な治療が必要

発見が遅れると命に関わるので、早期発見・早期治療のために定期健診をお勧めします。

共通の症状とリスク

犬猫共通の症状として、急にふらつく・立てない・倒れる、身体の片側だけ動きが鈍い、首をかしげる、眼球が揺れる、意識が飛ぶような時間がある、けいれん発作(手足を突っ張る、泡を吹く)、何もない空間を見つめる、方向感覚がおかしいなどがあげられます。

多くの神経疾患は、進行性で放置すれば不可逆的なダメージ(麻痺・失明・死亡)につながります。早期診断・早期治療で進行を食い止めたり、発作のコントロールが可能になるケースも多くあります。
定期健診では、症状が出る前のわずかな異常も見つかることがあります。神経疾患は「ちょっと元気がないだけ」「年のせいかも」と見過ごされやすいので、いつもと違う動きや行動の変化に気づいたら、早めに動物病院で診てもらって下さい。

手術設備・入院設備

当院では、外科手術を必要とする症状でも、院内で対応できるように様々な医療機器・設備を整えています。

院内に手術室を設置

専用の手術室を設け、滅菌設備、無影灯、専用手術台、麻酔モニタ、麻酔器・気化器・人工呼吸器など、手術に必要な設備を整えています。十分な検査の後にこちらで手術を進めます。

入院設備・ICUを導入

処置後・手術後に安静に回復を図れるスペースとして、専用の入院ケージをご用意しています。また、酸素濃度・温度の調整可能で、治癒力を高められるICU設備も導入しています。

ドクター・院内の様子

経験豊富な医師が担当

当院の獣医師は、10年以上の臨床経験を持つ経験豊富な医師です。
様々な症状を自院で対応したり、外科経験を活かすのは勿論、動物・飼主様に優しく丁寧な施術・接客をご提供致します。

綺麗な院内、サロン・ホテルも併設

当施設は、トリミング・ホテルが併設して病院とも連携しているので、お預かりの際は動物の体調や皮膚の状態など合わせて見させて頂きます。
一つの施設で完結するのでぜひご利用下さい。

料金・ご案内

動物病院の多くは、事前に価格が知ることができない状況です。当院ではそのようなご心配・ご懸念がないよう、事前に料金の目安を飼主様が知ることができるように明朗な料金案内に努めます。

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記載がない内容も対応していますので、お問い合わせ下さい。

お気軽にご予約ください。

Tel: 03-6712-7062

診療時間:10:30〜13:30、14:30〜19:30

※予約は診療30分前に締め切りとなります

総合診療

  1. 総合診療(案内)

    動物は言葉を話せないため、症状が悪化しないように、病気の早期発見・早期治療が大変重要になります。 食欲がない、元気がない、嘔吐・…

  2. 犬猫の呼吸器疾患

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  7. 犬猫の脳神経疾患

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  12. 犬の歯科・歯石除去

    3歳以上の犬や猫の80%以上が歯のトラブルを抱えていると言われています。 犬の場合は3~5日、猫の場合は約1週間で歯石に変わりま…